神奈川県の県庁所在地が横浜市なのはなぜ?名前が違う意外な真相を徹底解説
小学校の社会科の授業で誰もが一度は覚える「都道府県名と県庁所在地」。その中でも、首都圏で特に知名度が高く、同時に「なぜ県名と市名が一致しないのか」と疑問を持たれやすいのが神奈川県です。神奈川県の行政の中枢は、日本屈指の国際港湾都市である横浜市に置かれています。
実は、県名が「横浜県」にならず「神奈川県」として定着し、県庁が横浜に置かれた背景には、ペリー来航に端を発する幕末の外交戦略と、明治維新期の廃藩置県をめぐるドラマチックな歴史の経緯が存在します。本記事では、神奈川県庁本庁舎の所在地やアクセス情報はもちろん、県名と市名が異なる決定的な歴史の理由、さらには歴史的建造物としての見どころまで分かりやすく解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:神奈川県の県庁所在地は「横浜市中区日本大通」であり、横浜市役所とは別の場所に位置する。
- 要点2:県名と市名が異なる背景には、幕末の開港地をめぐる江戸幕府の外交戦略と「神奈川奉行所」の設置経緯がある。
- 要点3:「キングの塔」として親しまれる本庁舎は国登録有形文化財であり、開庁時間内には屋上展望台の無料見学も楽しめる。
【基本情報】神奈川県庁本庁舎の場所とアクセス・最寄り駅
神奈川県の県庁所在地は横浜市です。その中枢機能を担う「神奈川県庁本庁舎」は、港町・横浜の歴史的景観が色濃く残る関内・日本大通りエリアに位置しています。
神奈川県庁へのアクセスは公共交通機関が極めて便利で、複数の鉄道路線から徒歩圏内です。来庁や観光時の主な最寄り駅と所要時間は以下の通りです。
- みなとみらい線「日本大通り駅」:県庁口出口から直結(徒歩約1分)
- JR根岸線・横浜市営地下鉄ブルーライン「関内駅」:南口または1番出口から徒歩約8〜10分
住所は「神奈川県横浜市中区日本大通1」となっており、イチョウ並木が美しい日本大通りと横浜港の風情が調和した、非常に落ち着きのあるロケーションに建っています。
【歴史の深層】県名と市名がなぜ違う?「神奈川宿と横浜村」に隠された幕末のウラ側
「なぜ横浜県ではなく神奈川県なのか」「なぜ県庁が神奈川区ではなく中区の横浜にあるのか」という疑問は、幕末の開国期まで遡ることで氷解します。
1858年、江戸幕府がアメリカをはじめとする列強5カ国と結んだ「日米修好通商条約」には、開港場として「神奈川」を明記していました。この「神奈川」とは、東海道五十三次の宿場町として栄えていた神奈川宿(現在の横浜市神奈川区周辺)を指していました。
しかし、東海道は諸藩の武士や尊王攘夷派の志士が頻繁に行き交う大動脈です。幕府は、外国人と攘夷派武士が接触して流血騒動が起きることを極度に恐れました。そこで幕府は、「神奈川宿の対岸にある入り江を隔てた半農半漁の寒村」であった横浜村(現在の横浜市中区周辺)に港を開き、「横浜も広義の神奈川の一部である」と強弁して条約国側を納得させたのです。
外国人側は最初「条約違反だ」と激しく反発したものの、横浜村は水深が深く大型船が停泊しやすい天然の良港だったため、結果的に外国人居留地や商館が次々と横浜村に建設され、開港場として急速に発展していきました。
【廃藩置県と変遷】「神奈川奉行所」から神奈川県誕生までの歩み
横浜の開港に伴い、幕府は開港場の警備や外交、貿易事務を一手に担う拠点として神奈川奉行所を設置しました。この奉行所こそが、現在の神奈川県庁の直接的なルーツです。
1868年の明治維新後、新政府は幕府の奉行所を引き継ぎ「横浜裁判所」を置き、まもなく「神奈川裁判所」「神奈川府」を経て神奈川県へと改称しました。条約上の国際的な名称が「神奈川」として世界に知れ渡っていたことから、新政府も行政組織の冠として「神奈川」をそのまま継承したという経緯があります。
その後の1871年に行われた廃藩置県とその後の府県統合により、小田原県や荻野山中県などを編入しつつ、現在の広大な神奈川県の輪郭が完成しました。都市として急速に巨大化した「横浜」に行政庁が置かれつつも、歴史的・外交的な由緒を持つ「神奈川」が県名として今日まで残り続けています。
【混同に注意】「神奈川県庁」と「横浜市役所」の違いと役割
横浜を訪れる際に意外と混同しやすいのが、「神奈川県庁」と「横浜市役所」の役割および庁舎の位置関係です。
神奈川県庁は神奈川県全域(33市町村)を管轄し、広域的なインフラ整備、警察行政、県立高校の運営、防災計画などを担当する都道府県レベルの自治体組織です。一方、横浜市役所は政令指定都市である横浜市民の暮らし(戸籍、福祉、ゴミ処理、市立小中学校など)に直結した行政サービスを担っています。
かつては両庁舎ともに関内エリアの至近距離に位置していましたが、横浜市役所は2020年にみなとみらい線「馬車道駅」直結(桜木町駅徒歩3分)の新市庁舎へ移転しました。現在、両施設は徒歩で15分ほど離れた別の場所にありますので、各種手続きや訪問の際は行き先を間違えないよう注意が必要です。
【見学ガイド】歴史的建造物「キングの塔」と屋上展望台の開庁時間
1928年(昭和3年)に竣工した神奈川県庁本庁舎は、昭和初期の近代建築の傑作として国の登録有形文化財に指定されています。西洋の建築様式に和風の瓦屋根を融合させた「帝冠様式」の先駆けとされ、横浜港のシンボルとして親しまれてきました。
横浜税関(クイーンの塔)、横浜市開港記念会館(ジャックの塔)と並び、神奈川県庁本庁舎は「キングの塔」の愛称で呼ばれ、港町を訪れる観光客の人気スポットとなっています。
庁舎内の一部は一般開放されており、横浜港を一望できる絶景スポットとしても知られています。
- 屋上展望台の開庁時間:平日の8:30〜17:15(入場無料)
- 見どころ:横浜ベイブリッジや横浜港大さん橋を行き交う客船を一望できる屋上パノラマ、重厚な本庁舎歴史展示コーナー。
- 特別公開日:毎年数回、普段は非公開の「正庁(知事室前の儀式用広間)」などが一般公開されるイベントも実施されています。
【テスト対策・雑学】都道府県名と県庁所在地が異なるパターンの効率的な覚え方
神奈川県(横浜市)のように「県名と県庁所在地名が異なる都道府県」は全国に18道府県存在します。学生のテスト対策や大人の一般常識としても、グループ化して覚えるのが最も効率的です。
- 県名と異なる主要都市パターン(頻出):
- 神奈川県 = 横浜市
- 愛知県 = 名古屋市
- 兵庫県 = 神戸市
- 宮城県 = 仙台市
- 石川県 = 金沢市
- 地域ブロックごとの特徴:
- 東北地方:岩手(盛岡)
- 関東地方:群馬(前橋)、栃木(宇都宮)、茨城(水戸)、神奈川(横浜)
- 中部・北陸:石川(金沢)、愛知(名古屋)、三重(津)
- 近畿地方:滋賀(大津)、三重(津)、兵庫(神戸)
- 中国・四国:島根(松江)、香川(高松)、愛媛(松山)
- 九州・沖縄:福岡(福岡 ※同名)、佐賀(佐賀 ※同名)に対し、沖縄(那覇)
単なる丸暗記ではなく、「なぜそこが県庁になったのか」という城下町や開港地としての歴史的背景をセットでインプットすると、記憶への定着度が劇的に高まります。
【神奈川県の県庁所在地】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:神奈川県庁の最寄り駅はどこですか?
A1:もっとも近いのは、みなとみらい線の「日本大通り駅」(県庁口直結)です。JR根岸線や横浜市営地下鉄ブルーラインを利用する場合は「関内駅」から徒歩約8〜10分で到着します。
Q2:なぜ「横浜県」ではなく「神奈川県」になったのですか?
A2:江戸幕府が日米修好通商条約で「神奈川を開港する」と定めたため、外交上の名称として「神奈川」が世界に定着していたこと、また幕府が設置した「神奈川奉行所」を明治政府が引き継いで神奈川県を編成したという歴史的経緯があるためです。
Q3:神奈川県庁本庁舎は一般人でも中に入って見学できますか?
A3:はい、開庁日の平日(8:30〜17:15)であれば、手続きなしで屋上展望台や本庁舎の歴史展示スペースを無料で見学できます。重厚な近代建築や横浜港の眺望を楽しめる隠れた人気スポットです。
まとめ:歴史のロマンと現代が交差する神奈川県庁
神奈川県の県庁所在地が横浜市にある理由は、幕末の外交上の駆け引きや開港のドラマ、そして明治維新期の統廃合といった日本の近代化の縮図そのものです。東海道の宿場町「神奈川」の名を冠しながら、国際都市「横浜」の中心で県政を司る姿には、唯一無二の歴史的価値が刻まれています。
ビジネスや観光で日本大通り周辺を訪れた際は、ぜひ「キングの塔」を仰ぎ見ながら、幕末から続く壮大な歴史の変遷に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。 (出典: 神奈川 県 県庁 所在地(Yahoo!ニュース))